こんにちは、エコープライムQです。
心エコー専門の医療従事者です。
患者さんから、心エコー検査って何するんだろう?と聞かれます。
また、医療従事者の中でも、エコーに携わらない職種であれば何をするかわからないです。
同職種でも他施設との違いが気になることがあります。
今回、私の施設で実際どんな流れで検査しているか記載したいと思います。
私の職場のやり方が中心です。
他の御施設との違いもあると思うので、ぜひご覧ください。
心エコー検査の概要
検査時間
おおよそ15分前後で終わります。
病院の規模にも依ります。
クリニックでは5~15分ぐらいです。
大きい病院では30~60分ぐらいなることもあります。
大病院では難しい症例が多いため、時間がかかる傾向があります。
検査者
基本的に数人で回し、担当を決めずに検査することが多いです。
経験年数はバラバラですが、経験が浅い検査者にはベテラン検査者がサポートする体制を取っているところが多いです。
技術の個人差はかなり大きいのがエコーの問題点でもあります。
装置・物品
検査中に使用するものは以下の通りです。
- エコー機器本体:大きく2種類あります。据え置きタイプとポータブルタイプ。据え置きタイプの方が多機能で画質も良いですが、大きく重いです。ポータブルは軽くて動かしやすいですが、機能や操作性に制限があります。
- プローブ:心臓ではセクタプローブを使います。周波数は2~5MHz程度、血管と比べて深く見えにくい位置を観察するため、周波数は低めになっています。
- エコー専用検査台:抱え込みタイプの検査台では、左脇部分のみ沈み込むようになっている検査台があります。金額はかかりますが、描出能が良くなります。
- エコーゼリー:これがないと画像が出ません。ちょっと冷たいのでゼリーを温める備品を使うこともあります。
- タオル:衣類にゼリーが付かないようにします。検査後ゼリーを拭き取るのにも使います。
- カゴ:患者さんの荷物を入れるカゴを用意しておきます。
実際の流れ
では、実際の流れを説明します。
- 検査室へご案内:患者さんを検査室に案内します。検査室はエコー用に暗くしておきますが、手元や足元が見えるぐらいの明るさは確保しておきます。
- 本人確認:氏名、生年月日を言ってもらいます。患者IDがついたリストバンドでも確認します。
- 心電図装着:四肢装着用クリップを付けます。手と足に装着しますが、心電図波形が分かり難いときは、手と手に付けることもあります。クリップではなく接着シールを使うこともあります。
- 衣類まくり上げ:衣類を鎖骨の辺りまでまくり上げます。出来るだけ上の方までまくった方が検査の時見えやすくなることもあります。
- エコー開始:胸部に専用ゼリーを付けて画像を描出します。抱え込み式では、ほぼ左側臥位で検査することが多いです。
- 検査終了:ゼリーを拭き取り、衣類を整えます。診察や会計があることを伝えて、待合室へご案内します。
- レポート作成:所見を書く部屋に戻ってレポートを記載します。
検査の際の工夫
検査をスムーズに行うための工夫を、いくつかご紹介します。
- 検査者の性別:できるだけ同姓技師での検査をするようにしています。女性の患者さんの検査では女性検査者が担当する等、気を配ります。
- 検査時に肌を隠す:どうしても胸やお腹を露出しないとできない検査です。恥ずかしいことや、寒いという訴えは割と多く、注意するようにしています。できるだけ露出を避けるため、最低限必要な部分以外はタオルで隠したり、部屋の温度を上げるように気をつけています。
- 搬入方法を確認しておく:患者さんの状態によっては、車椅子やベッドで来られ
ることもあります。酸素や輸液ポンプ、輸液シリンジ、モニタを付けてくることもあり、検査するまでに手間取ることがあります。搬入方法を事前に把握し、酸素がある部屋や入口に近い部屋を開けておくような対応を取り、患者さんの状態に合わせた検査室の確保に努めています。 - 小児科専用の道具を用意しておく:小さい子のエコーでは、嫌がって検査できないことがあります。1~3歳の子は暗い部屋を怖がらないように、DVD、人形、おもちゃを用意しておくと良いです。DVDでアンパンマンを見ながら検査することで、最後までおとなしく検査させてくれたこともあります。
問題点&改善点
当検査室で問題になっていることがいくつかあります。
- 検査者の技量の差があること
- 検査時間が長くなること
- 待ち時間が長くなること
- 検査件数が多すぎること
人の手で検査するため、どうしてもこれらの問題点が生じます。
おそらくどの施設でも共通の問題点になっていることと思われます。
まとめ
今回は、実際の検査の流れ、工夫などを取り上げました。
この中で役立つ情報があったら参考にしてください。
お役に立ちそうであれば嬉しいです。