こんにちは。EchoPrimeQです。
今回のテーマは心エコー検査時の配慮についてです。
心エコー検査では、患者さんに気を配る場面が多いです。
患者さんも緊張しており、検査者側として配慮することで、検査をスムーズにできます。
そこで今回、私が普段やっていること、気をつけていることについて、説明していきます。
- 検査前に丁寧に説明する
心エコー検査は患者にとって初めての方も多くいます。
安心感を持ってもらえるように、穏やかな感じで接するように努めています。
穏やかな感じのまま、丁寧に検査の説明をするようにしています。
私の場合は、以下のような説明をします。
一度に伝えると長くなるので、タイミングをずらしたり、一部省略したり、端的に説明するように意識しています。
よく使うセリフは以下のものです。
- ずっと左側臥位になるので、体勢が辛いときは教えてください
- 寒くなったら、体にかけるものを用意します
- ゼリーが冷たいですが、これを付けないと検査できないのでご理解下さい
- ゼリーが衣類に付かないようにしていますが、多少付着することもあるのでご理解ください
- 時々、体制と呼吸の調整のため指示を出すので、ご協力お願いします
- これは、放射線、磁力、電波は使っていないので、体に害はないです
- 検査には10分かかると思います
- 胸部に配慮する
心エコー検査では胸部を露出する検査なので、いろいろ配慮をしています。
心電図のように短時間で終わる検査でない分、検査中どのタイミングでも配慮が必要になることもあります。
当然ですが、カーテンやパーティションを使用して検査室の外からの視線を遮り、検査中に安心してもらえるように注意しています。
経験的に、胸部を出すことへの不安、寒さに対する訴えが多いです。
対策として、胸部にタオルを掛けたり、暖房の温度を上げたりしています。
- 異性への対応
患者の性別に気を配るのは、心エコー検査では特に注意しています。
検査者は同性がいいと希望されることも多いです。
そういう場合は、同性の検査者が準備できるまでお待ち下さいと伝え、同時にお詫びもしています。
一例ですが、非常に混雑しているときは、「女性の検査者がすぐご案内できなくて申し訳ございませんが、男性検査者でよろしいでしょうか?」と断った上で案内する場合もあります。
患者さん側だけでなく、スタッフの負荷の偏りも配慮が必要な場面もあり、臨機応変に対応しています。
- 小児症例への心遣い
小児に対しては、特に心遣いが必要です。
ママ抱っこじゃないと泣く子、暗い部屋を見ただけで泣く子、じっとしていられない子、暴れ出す子、プローブやゼリーが気になって触ろうとする子、いろいろあります。
その子その子に合わせた対応が必要なので、対応は本当に様々です。
検査を完遂できないことも多く、外来の先生と相談しながら検査します。
鎮静剤を使って検査するか、今回は検査中止にするか、先生に判断を仰ぎます。
検査者としてできることは、じっとしていてくれるよう様々な作戦を練ることです。
具体的には、おもちゃやDVD・動画サイトを見てもらう、ママ抱っこしながら検査する、じっとしているうちに急いで検査する、手足を押さえてもらいながら検査する、というケースが多いです。
ただし、激しく泣き出す場合や体動が大きい場合は、心拍数が上がって十分に評価できないので、無理矢理検査するのは避けています。
保護者への事前説明も大事になります。
安静な状態をとってもらうために協力をいただき、鎮静後に再検査する可能性があることを理解してもらった上で検査しております。
丁寧に説明を心がけているのが幸いしているのか、殆ど苦情なく検査できております。
- 検査中リラックスしてもらう
部屋は暗めで、静かな環境になるようにしています。
たまに隣の検査室の声が聞こえて影響されてしまうことがあります。
隣の検査者が「息吸って」というと、こちらの患者さんも息を吸ってしまうとか。
話がずれましたが、検査中落ち着いてもらう環境のため、寝てしまう方もいる一方、逆に会話が始まる患者さんもいます。
寝てしまう患者さんの場合は、呼吸の支持ができなくなるので、やむを得ず起こすこともあります。
会話が始まる患者さんは、たまにトークが止まらないこともありますし、トークが面白すぎて検査者が止められないこともあります。
しゃべりたくて仕方ない心不全患者さんでは、息切れなのか息継ぎなのかわからないことになります。
徐々にセルフ負荷エコーになってしまうこともあります。
そういう場合は、息を止めてもらうことを何度か繰り返します。
息止めてる間はしゃべれませんので、強制的にトーンダウンしてもらっています。
しばらくすると落ち着いてくれることが多く、私はよくやっております。
- 「ありがとう」「ごめんなさい」をこまめに伝える
検査前、検査中、検査後、どの場面でも患者さんの協力があると助かります。
そのため、細かく感謝の言葉を伝えています。
検査前は、服をめくってもらったり、左側臥位になってもらったり、何かしてもらうタイミングで言います。
検査中は、呼吸調整や体位調整をこまめにするので、調整の度に言います。
検査後は、ごめんなさいも使います。しばらく横向きになってもらったこと、ゼリーやプローブを胸部に当てていたこと、結果をすぐお伝え出来ないこと等、色々あります。
如何でしたでしょうか。
ある程度検査に慣れると、血行動態や病態に目が向きがちですが、検査中の患者さんに十分配慮した上での検査ですので、配慮はしすぎるに超したことはないと思っています。
今回の内容が普段のエコー検査に役立つ内容になりましたら幸いです。